2009年7月27日月曜日

スティープ化限界近い、業績期待の株高短命-三井住友海上・高野氏

スティープ化限界近い、業績期待の株高短命-三井住友海上・高野氏

7月27日(ブルームバーグ):三井住友海上火災保険投資部の高野徳義グループ長は、長期・超長期金利の上昇の背景となっている企業業績の改善期待や株高は一時的との見方を示したうえで、今後の景気を見通した場合、利回り曲線のスティープ(傾斜)化は限界に近いとの見方を示した。
ブルームバーグ端末によると、27日時点の5年債と10年債の利回り格差は一時71.2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)と、3年半ぶりの高水準を記録した6月3日(72.8bp)に接近。5年債と20年債の格差は147.5bpと、2005年8月22日以来の高水準に達している。
高野氏は、利回り曲線の形状について、日本銀行による金融緩和の時間軸効果を背景に短中期債相場が落ち着いているため、長期・超長期債が売られると、「スティープニング圧力がかかりやすい状況にある」という。
もっとも、景気回復期待に伴う長期金利の上昇については懐疑的で、「4-6月の企業業績が最悪期から改善するのは予想されたことで改善を確認すれば株価は調整する可能性がある」と予想し、海外投資家を中心とした強気な景況感の持続性を見極める姿勢だ。
高野氏は、10年債利回りが1.4%を超えて上昇していく可能性については、7-9月期以降の企業業績と景気次第とするものの、「これまでの景況感の振れの範囲内の動きなら、今の利回り曲線のスティープ化はほぼ上限に達している」と指摘。長期・超長期債は月末にかけて機関投資家の需要増加を見込んでいる。
記事に関する記者への問い合わせ先:東京 船曳三郎 Saburo Funabiki sfunabiki@bloomberg.net 更新日時 : 2009/07/27 12:48 JST

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