2009年8月28日金曜日

三井住友きらめき生命:景気懸念で長期金利は低下、来年は上昇も

三井住友きらめき生命:景気懸念で長期金利は低下、来年は上昇も

8月28日(ブルームバーグ):三井住友海上きらめき生命保険の堀川真一経理財務部長は、年末にかけての日本の長期金利が景気対策の効果息切れの可能性を織り込んで1.1%台まで低下するとみている。来年は民主党新政権が景気刺激策のための財政出動を余儀なくされ、国債増発に伴う金利の上昇圧力が強まるという。

  三井住友海上きらめき生命は損保業界2位の三井住友海上グループホールディングスの生保子会社。堀川氏は27日のブルームバーグ・ニュースとのインタビューで、「10年債利回りは景気の先行き不安を見込んで低下し、年末には1.2%を下回る水準まであってもおかしくない」と指摘した。

日本の長期金利の指標である新発10年国債の利回りは、6月11日に昨年10月以来の高い水準となる1.56%をつけたが、投資家の買いが入ったことをきっかけに7月には1.27%まで低下した。その後は1.4%付近まで戻し、再びじりじりと低下している。

堀川氏は今後の10年債利回りの推移について、短期的には1.3%付近でもみ合いながら、10月か11月ころから再び低下余地を探るとみている。現在の景気は政策効果もあって底堅いが、年明け以降には厳しさが出てくる場面があると指摘する。

一方、30日投開票の衆院選では民主党が勝利を収めることでおおむね想定済みだと指摘。堀川氏は、現在の市場では民主党政権が誕生しても国債発行が大きく膨らむとは懸念していないとしながらも、年明け以降に景気対策のための財政出動があるようだと、金利低下の反動が出る可能性があると言い、「その場合には6月につけた1.56%に接近することも考えられる」との見方を示した。

             運用方針

同社は今後も国内公社債中心の運用を継続する方針だ。堀川氏によると、1996年の同社設立以降はALM(資産・負債の総合管理)の観点から公社債の買いが主体の運用で、基本的には10年超の国債や政府保証債を中心に購入してきた。ただ、総資産が1兆円を超えてきたことから今後は保有債券の見直しも行っていくという。

具体的には償還まで5年を切った国債を売却して、長期の普通社債(SB)を購入する銘柄入れ替えが選択肢となる。ただ、社債と国債の利回り格差(スプレッド)に注目し、「シングルA格で10年前後の年限の社債のスプレッドが拡大する場面で国債からの入れ替えを検討する」半面、今後もスプレッドに投資妙味がつかない小さい状況が続けば長期の国債に乗り換えると、堀川氏は述べている。

記事に関する記者への問い合わせ先:東京 赤間信行 Nobuyuki Akama akam@bloomberg.net 東京 関泰彦 Yasuhiko Seki Yseki5@bloomberg.net

更新日時 : 2009/08/28 11:54 JST

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